幼稚園お迎えの
わたしが当番の日

14時が正規のお迎えだけど
あ~たんの仕事が始まったから
1時間の延長保育

いつも ぎりぎりだから
きょうは いつもより
15分早く着いて
喜ぶ顔を期待していた

「延長だから 早くてもだいじょうぶ
 顔を見たら引き渡してくれるよ」

という娘の言葉があったので
お部屋に近づいてみた

「あ、そら君のばあばだ!」

と お友達も 先生も わたしをみつけて
手を振ってくれた

けど 当の本人のそら
声は聞こえるが 顔はのぞかせない

いつもなら 満面の笑顔で
飛び出してくるのに・・・

「そら君 いそげ!ばあば待ってるよ!」の声が何回かあって

「そら君のお片づけ ほら みんなで手伝ってあげて」

の 先生の声で
みんなが 協力してくれているらしい

わたしは あえてのぞかないで
わくわく 待っていた

きっと 大変なくらい
いっぱい出して遊んでいたのね
おもちゃか 本か・・・
楽しく遊べてよかった♪

だいぶたってから
いつもの元気な「さようなら~!バイバ~イ!!」の声もなく
静かに にこにこと出てきた

くつをはきながら

「ばあば きょうは早かったね」

「うん そう♪ きょうは早く来れたの」

この頃 そらは かたくかたく
なんども手を握りなおして
いろんな話をしながら歩く

しあわせな時間・・・

「ばあば もうちょっと 遅くてもいいよ
 そらはね 2番目くらいがいいな」

「お迎えのこと?」

「うん そう」

「どうして? 前に一番早くきて!って言ったことがあるよ」

「あのころは(延長じゃないから)お友達がいっぱいいたじゃん
 預かり(延長のこと)は(人数が)少しだから、一番目の人が帰るとさびしいでしょ」

「おともだちがさびしいなって思ったら いやなんだね~
 一番目になりたくないんだね」

「うん・・・そう」

「あ だから かたづけゆっくりやったの?」

「みんなと もっといたかったからね」

「そうだったんだ~ それで おかたづけはおわったの?」

エヘヘと笑って

「先生が ばあばが待ってるから あとはやってくれるって」

「あらら ちょっと予定外だったねぇ せっかくゆっくりやったのにね」

「うん だからね 今度はもう少しおそくていいよ
 二番目か三番目だといいな」

なんか ばあばは胸がいっぱいになったよ 

そらは 残されるさびしさを ちゃんと知っているから
いちばん先にお迎えが来ても
うれしい顔をみんなに見せたくないんだね

時間をかけてお片づけするやさしさも
ばあばは 大好きです

どうして そうするのか
どうして そうしないのか
子どもにも ちゃんと理由がある

「早くしなさい!」と言ったら
「おもいやり」が育たないこともあると
教えてもらいました

相手の理由を聞くだけの心があったら
おとなの世界も きっとうまくいく



「あ!そら、見て!きれい~!八重のバラ!」

「ばあば トゲがあるよ 気を付けてね」





「わ!そら、面白いお花を見つけちゃった!見える?」

どっこいしょと そらを抱き上げて
2人で じっと見る



「変わってるね~ 生まれて初めて見た~」と言えば

「つんつんしているね そらも 生まれて初めて見た~」



しばらく歩きながら そら

「そらからみたらね ばあばはこどもに見えるよ」

と 言いだした

「うれしい~! じゃあ お友だちってことだね♪
 どういうとこが?」

「あのさ 喜ぶとことか 遊ぶとことか 笑うとことか・・」

「へ~ そうなんだ~ なんだかうれしいなぁ」



「あ、きれい~!見て! そら!」

「ああ きれいだね~」



「こんなきれいなのが見られるなんて ラッキーだね~♪」

「ラッキーだね~♪」



家に着いたら 二人でお花に水やり

裏のフェンスにしっかりまきついて
こんなめずらしいクレマチスが咲いていました









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